【ポケットモンスター アルセウス】
人間を襲うポケモン!?村の外で“死”を迎えうる主人公…『ポケモン』完全新作が踏み込んだ「歴史的タブー」とは?
ポケモンといえば「かわいらしい生き物」という印象を持つかもしれないが、実際はかなりの力を秘めた生物である。インド象を2秒で気絶させるガス状のポケモンもいれば、ナパーム弾でも壊せない硬い殻を持った二枚貝のポケモンも存在するのだ。
とはいえ、その恐ろしさはあくまで設定レベルの話である。ポケモンを利用した戦争などもあったようだが、ゲームのなかでは昔話のように描かれる程度だ。
しかし、2022年1月28日に発売されたNintendo Switch専用ゲームソフト『Pokémon LEGENDS アルセウス』では、そのポケモンの危険さが本当に描かれるのである。
今回の『Pokémon LEGENDS アルセウス』はかなり挑戦的な作品だ。テレビゲームとしても進歩しているし、何よりポケモンのタブーとされる部分に触れようとしている。2021年で25周年を迎えた本シリーズは、さらなる飛躍を求めているのだ。
古典的すぎるRPGだったポケモンが現在のトレンドに“進化”
『ポケットモンスター』シリーズはこれまで古典的なRPGとして描かれており、それこそ『ドラゴンクエスト』シリーズのように、技や道具などの各種コマンドを入力してバトルや冒険を行っていくゲームであった。
一方、新作である『Pokémon LEGENDS アルセウス』はアクションの要素を追加している。プレイヤーは実際に主人公を動かし、広い世界を自由に冒険し、そのあたりに住むポケモンたちにモンスターボールを投げて捕獲を試みるのだ。
『Pokémon LEGENDS アルセウス』はオープンワールド作品なのか?昨今は「オープンワールド」と呼ばれる、世界が区切られておらず自由に移動できるデザインを採用したゲームが流行している。『Pokémon LEGENDS アルセウス』もそれに影響を受けているようで、古臭いRPGを脱して新たな作品に進化しようというわけだ(ただし、本作はオープンワールドの定義には当てはまらず、あくまで“それ風”である)。
こういったゲームになるとひとつ問題がある。プレイヤーは自然のなかを冒険するわけだが、そこでは当然ながら野生のポケモンたちと出会う。すると、どうなるか? 野生生物は人間を見て寄ってくるかもしれないし、逃げ出したり、あるいは襲いかかってくるわけだ。
そう、このゲームではポケモンが人間を本気で攻撃してくるのである。タコのようなポケモン「オクタン」が超高圧の水を吹き出してきたり、一見するとかわいいポケモンが「はかいこうせん」を撃ってきたり、鋼の巨体を持つポケモンが全力で突進してくる。頭によぎるのは“死”であろう。
実際、『Pokémon LEGENDS アルセウス』では、しばしば死がほのめかされる。ポケモンと人間がまだ絆を結んでいない時代を描いているだけあって、村の外に放り出されれば野垂れ死に、自然のなかを薄着で歩き回ればイチコロだと言われるのだ。全世界の人たちが楽しむかわいらしいコンテンツにも関わらず、だ。
『ポケットモンスター』シリーズの生みの親である田尻智氏は、昆虫採集の楽しさがポケモンのアイデアに繋がっていったと語っている。さまざまな場所にいる多様な昆虫、そしてそれらを捕まえて戦わせるというのは、たしかにそっくりだ。また、『ウルトラセブン』に登場する「カプセル怪獣」からも大きな影響を受けている。モンスターボールはまさしく怪獣を小さなカプセルにしまう行為であり、こちらも明確な類似点があるわけだ。
『ポケットモンスター』シリーズの隠れた残酷さつまり、もともと残酷な遊びがモチーフになっていたのである。昆虫を捕まえて戦わせるのも怪獣をカプセルに入れるのも、対象が哺乳類ではないためまだ許される。しかし、『ポケットモンスター』シリーズでは「ピカチュウ」のようなかわいいポケモンも増えていき、マスコットキャラクターのようにもなっていった。いつしかその原点はうやむやになり、ゲームやアニメでは表現されなくなる。
とはいえ、『ポケットモンスター』シリーズを楽しんでいるとその原点が頭をよぎることがある。ポケモンを捕まえるのは人間のエゴではないか? そもそも野生のポケモンと人間はどういう関係なのか? 怪獣を捕まえるのは危険すぎないか? 遊びとしてのおもしろさが先にあるため、このような理屈は置いてきぼりになっているのである。
『Pokémon LEGENDS アルセウス』では昔の時代が舞台となっており、人間とポケモンがいかに関係性を作っていったのかが描かれる。当然ながらそのころのポケモンは野生生物であり、人間に牙をむく。ゆえに『ポケットモンスター』というコンテンツにおいては「タブー」といえるその部分に触れざるを得ないのだ。
また、本作では「ポケモン世界の神話」も描いている。世界を創り出したといわれる幻のポケモン「アルセウス」に関わる物語が展開されるのだが、これも考えてみればとんでもない話である。ポケモンはいかに生まれたのか、伝説のポケモンとはなんなのか? 謎に満ちた……というより、世界の誕生という意味では現実でもかなり難解な話なわけで、挑戦的になるのは間違いない。
ポケモンの危険さ、そしてポケモン世界の誕生といったタブーに挑むのは、やはり『ポケットモンスター』シリーズの新たな可能性を開拓するためだろう。ゲームとしても「今までのRPGはあんまり……」と感じる人を取り込める可能性があり、注目作となるのも当然である。
物語上で危険な状況は発生しうるが……とはいえ、やはりポケモンは世界的に人気のキャラクターである。『Pokémon LEGENDS アルセウス』では確かにタブーに触れているものの、本気で人間やポケモンの死を描くことはない。
プレイヤーが野生のポケモンの攻撃でやられてしまった場合、死なずに救出される(ただし一部の道具を落とすペナルティがある)。物語上で危険な状況は発生しうるが、それも軽い表現で済ませている。全年齢対象のゲームだけあって、表現の限界があるのだろう。
世界で人気の『ポケットモンスター』シリーズであることを考えると、グロテスクな表現はもちろん避けてほしい。しかし、野生生物の世界は死が当たり前の危険な場所である。それをあまりに覆い隠してしまうと嘘くさくなってしまうわけで、可能な限りシビアな空気を描いてほしいというのが偽らざる筆者の本音である。
とはいえ、それでもポケモンと対峙すると緊張感を覚える人もいるだろうし、何より新しいポケモンの表現に挑戦している姿勢は高く評価すべきだ。すでに『ポケットモンスター』シリーズは長く続いている超人気コンテンツだが、タブーに触れることによってさらなる高みに到達するのだろう。
(渡邉 卓也)
(出典 news.nicovideo.jp)
人間を襲うポケモン、村の外で“死”を迎えうる主人公…『ポケットモンスター』完全新作が踏み込んだ「歴史的タブー」とは(文春オンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 人間を襲うポケモン、村の外で“死”を迎えうる主人公…『ポケットモンスター』完全新作が踏み込んだ「歴史的タブー」とは(文春オンライン) - Yahoo!ニュース Yahoo!ニュース (出典:Yahoo!ニュース) |
ポケットモンスター(Pocket Monsters)は、株式会社ポケモン(発売当初は任天堂)から発売されているゲームソフトシリーズの名称。また、同作品に登場する架空の生物の総称、それらを題材にしたアニメを始めとするメディアミックス作品群を指す。略称は「ポケモン(Pokémon)」。 76キロバイト (9,465 語) - 2021年11月29日 (月) 10:37 |
<このニュースへのネットの反応>
オーキド『あぶない ところだった!くさむらでは やせいの ポケモンが とびだす!』
ポケットモンスターなんてポケットに入るサイズのゲームボーイでモンスターによる怪獣対戦でしかないんだよ。子供向けとかどうでもよくてゲーフリの初期思想なんてそんなもんだろ。
第一作目 ガラガラ*ました第二作目 カイリュー、はかいこうせん(人に向かって)
いつからかモンスター(怪物)は危険でなくなった そういう世の中になった
時代が進んでも人のパートナーのカイリューは平気で破壊光線を撃っているという事実…。
文春は書くのは芸能だけにしとけ
実際作中でも「ポケモンは怖い、危ない」と度々言われる。だが、主人公たちがポケモンの生態を調査しポケモンを知ることで、実態が分からない「モンスター」から、人の生活のそばにいる「不思議な生き物」として、少しずつ理解が広がっていって、次第にいつものポケモンの雰囲気に近くなっていくのがすごくいい。ここからこれまでのポケモンに繋がっていくのがはっきり感じられる
ミミロップやサーナイトと結婚してぇなぁ…
主人公が破壊光線食らおうが尻もちで済みポケモンに敵視されされてなければ超再生能力を持つ現代人として召喚されたゲーム、あの世界の現代人は化け物だったw
ところでこんな昔からポケモンがいる設定なのに151匹しかいないと思ってたオーキド君さぁ・・・
ポケスペのレッドさんの耐久力を見習うべき
>>いやだに 遺伝子改造ポケモンも追加で
まあポケモン世界の人間は現実の人間と比べ物にならない強さなんで、現実の人間がポケモンに襲われたのと同じに考えるべきじゃないだろと思うが
ポケモンを捕まえるのは人間のエゴでは←かなり昔に動物愛護だかの連中が「ポケモン解放運動」とか言って抗議用の改造ゲームを作ってたな。ポケモンを奴隷にして遊びで戦わせる残虐な人間どもを主人公ピカチュウが倒して説教するって内容。なおポケモンを被害者のように見せるためにピカチュウの耳を引きちぎる・囚人用首輪をつける等の原作に存在しない虐待を施した模様
アニメだとサトシがオニスズメの群れに*れかけてなかったっけ?
モンスターだという事を忘れていた
創造神すらポケモンな世界で人間だけがポケモンではないといつから錯覚していた?
ユンゲラー・・・
パラスとかいう今作でその凶暴性が明らかになった怪虫
チェアさん、アルセウス買って、人に向かってモンスターボール投げてみればわかるよ
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