【芸能】進化を続ける天才芸人「ゆりやん」元芸人が徹底分析!
- NO.9337138 2021/03/20 23:34
元芸人が「R-1グランプリ2021」全ネタ徹底分析! 圧倒的だった進化を続ける天才芸人「ゆりやんゆりやんレトリィバァ」の生き様 - 現在、お笑い芸人の頂点を決める大会は、ネット番組やライブも含めると数多く存在している。
その中でも、テレビで放送され、ベテラン芸人が審査員を務め、普段お笑いに興味のない人でも知っている有名な大会は、漫才の王者を決めるM-1グランプリ。
コントのチャンピオンを決めるキングオブコント、女性の芸人限定のTHE W。
そして最後に、ピン芸人のナンバーワンを決定するR-1グランプリである。
今年も3月7日に「U-NEXT R-1グランプリ2021」(フジテレビ系列)が放送され、ゆりやんレトリィバァの優勝で幕を閉じた。
M-1グランプリ2020のコラムで書かせて頂いたように、今回も決勝進出者を一人ずつ元芸人目線で分析していく……のだが今回、正直初見の芸人も多かった為、事前情報をほとんど把握していない。
彼らの経歴、普段の芸風、大会へ挑む思いなど、一切知らない状態で鑑賞させて頂いた。
よってここで述べることは純粋に今大会だけの分析であることをご理解いただきたい。
それでは早速分析していく事にしよう。
トップバッターは敗者復活ステージで1位を勝ちとった「マツモトクラブ」。
彼はR-1グランプリの常連と言っても過言ではない。
現に2015年から2019年まで5年連続で出場し、昨年は惜しくも準決勝で敗退してしまったが、今年は見事に敗者復活1位で勝ち上がってきたので計6回も参加していることになる。
ネタのスタイルは一貫して変わらず、心理描写のナレーションと第三者との会話劇を中心とした芝居のようなコントを披露している。
今年のネタはおじさんが夜中に公園で片思いの女性との恋愛を妄想していたら、警察に職務質問され、何故か女性とのシミュレーションのように警察との会話が進んでいくというもの。
率直に言うと、笑いのネタというよりも芝居の延長上のような空気感が強く、あの制限時間では笑う体制が整わなかった。
もちろん観客は笑っていたし、話の展開や描写は上手い。
しかし見終わった後は「面白かった」ではなく「上手かった」という感想が一番強く浮かんでしまう。
原因は彼の芸人の枠を超えた芝居の巧みさである。
まるでそこに、本当に悲しい人生を背負ったおじさんが存在しているように見えてしまうのだ。
だったら下手な芝居をすればいいのか? そんな単純なものではない。
コントに演技力は不可欠だ。
ただ、上手いだけでは足りず、そこに通常よりも若干大げさなリアクションをしたり、ありえない表情やセリフの言い回しを付け加えることで、フィクションとノンフィクションの間の空間を作り出す。
彼の芝居力に芸人ならではの空間が備われば芝居の延長上ではなく、演技力が抜群の芸人として一皮むける気がする。
残念なことにマツモトクラブさんは今年芸歴10年目となり、最後の挑戦であった。
また別の機会に、より一層磨きのかかったネタを見せてくれることを期待している。
2番手は全身ピンクの衣装を身に纏い(ファイナルステージでは白い衣装だったが)、髪の毛までピンク色の長髪という奇抜な恰好をした「ZAZY(ザジー)」。
過去にネタを見たことはあったが、正直なところ記憶に残ってはいなかった。
インパクトのある絵でボケたり、それに対してツッコミをするというフリップ芸。
春夏秋冬を表す為四面のフリップを使っていた。
基本的には「なんそれ!」というツッコミを中心としネタが進行していく。
見た目の奇抜さからどんなネタなのかと構えてしまったが、ネタはフリップを使い、基本的には絵が描かれており、絵自体でボケたり、ツッコミで笑わせたりするもので、見た目とは裏腹に意外としっかり構成されていた。
後半では、絵でボケ、ツッコミ、さらにそのツッコミのフリップも実はボケになっており、それに対してさらに絵でツッコミを入れ、さらにその絵にツッコミを入れ、というループで畳み掛ける展開に会場の笑い声も大きくなっていった。
そして終いには、四面全てのフリップに描かれた絵がひとつのリズムになり歌いだすという、王道と邪道が混在し、そこに奇抜さも加わり、言葉では表現しづらいが、とにかく面白かった。
惜しくも優勝を逃したのは、ファーストステージとファイナルステージのネタの構成がほぼ一緒だったからではないだろうか。
もう少しネタに変化をつけ、同じようなクオリティで違いが見せられていれば優勝のチャンスがあったかもしれない。
ZAZYさんに限らず、連続でネタを披露する大会ではそれが一番難しいのだが。
3番手は「土屋」という方。
4年連続で1回戦敗退し、5年目でいきなり決勝進出。
前者の二人とは違い、まったく情報がなく、年齢もネタの雰囲気も全くわからない状態で見始めた。
ネタはひとりコント。
フリップ芸が目立つ中、ひとりコントというだけで興味が沸く。
内容は自転車競技をしている人の心情を話していくうちに、だんだん喋り方が田原俊彦さんになっていってしまい、その喋り方が恥ずかしいからゴールしたくない、田原俊彦さんのおかげで足の痛みが無くなってきたなど、ひとつのボケの枝葉を広げていく。
厳しい言い方になってしまうが、芯のあるネタには見えなかった。
惹きになるほど上手いモノマネでもなく、笑いになるような下手なモノマネでもなかった。
なぜ田原俊彦さんをボケの中心に置いたのだろう。
さらには声の大きさも足りず、活舌も良くない。
それが笑いになれば問題ないが、逆に気になって集中できなくなるレベルだ。
少なくとも芸歴は5年以上ある。
見た目や活舌、音量などを客観視し、武器になりそうな素材をもっと活かせるネタを作れたと思うが、ネタ自体の面白さに固執してしまったのだろうか。
決勝進出したということは、運も実力も兼ね備えているはず。
誰がやっても面白いネタではなく、自身の特性を活かし、自分にしか出来ないネタを見たいと思った。
4番手はこちらも事前情報ゼロの「森本サイダー」。
彼はM-1グランプリで一躍その名を広めた「オズワルド」の伊藤さんを含む若手芸人3名とルームシェアをしているらしい。
こんな薄い情報はさておき、ネタ自体はとても良かった。
自身のキャラを活かしたヲタクのコントと見せかけて、コント中にお客さんが気になったであろうことをフリップで追及していき、最終的に「ちゃんとコント見て~」という2019年のおいでやすさんを彷彿とさせる駄々をこねた。
作りこまれたネタやキャラクター、声の張り方や声量などはすべて良かったと思うが、思ったほど笑いが起こらなかった。
このネタは3部構成になっていて、その順番が違ったのではないかと僕は考察する。
1ブロック目はキャラ説明のショートコント。
いわば自己紹介である。
2ブロック目はフリップを使って観客が考えたであろうことを回収していく。
3ブロック目は駄々こねながら自身の胸の内を吐露していくというもの。
この3つならその順番は致し方ないことなのだが、明らかなる笑いのピークは2ブロック目だった。
真ん中で笑いのピークを迎えるという事はつまり尻すぼみしたということだ。
2ブロック目と3ブロック目を入れ替えて辻褄が合うようにすればピークを最後に迎える事になりけ決勝進出もあり得たかもしれない。
もしくは胸の内を吐露するセリフの「嫌いにならないで」や「SNSで褒めて」が観客の想像を超えていくものだったら違ったかもしれない。
例えば「僕のパパは社長なんだよ」とか「シャンプーボタニスト使ってるのに」等、関係の無い具体的なワードを盛り込むのはひとつの方法だったと思う。
今後に期待したいと感じた。
5番手は2020年「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝した「吉住」。
THE Wの時のネタはとても印象的で女性ならではの面白さがあり、コンスタントに笑いを起こすネタだったので、凄い芸人が現れたと思った記憶がある。
果たしてR-1はどんなネタを見せてくれるのかと期待した。
ネタの内容は化け物と少女の心温まる絆の物語かと思いきや、その化け物が村を襲うというもの。
見終わった時の印象は「ちょっと笑いが起こる演劇」だった。
芝居は圧倒的に上手く、セリフにも芸人としてのファニーさがあり、器用さが前面に出ていたが、ネタ自体は、笑える箇所が少なかった。
前半、若干の小ボケはあったが、主軸となる笑いがほとんど無く、中盤の化け物が村を襲うところで初めて大きめな笑いが起こる。
しかしそれ以降も大きく笑える箇所はなかった。
大きな笑いひとつより、全体的に笑いがちりばめられている方が賞レースでは有利だ。
つまりこのネタはR-1向きではない。
ネタが終わった後のインタビューで「R-1はメチャクチャやっていいと聞いていたので」と言っていたので、本人もあまり笑いが起きていなかった自覚があったのだろう。
ネタの選択も芸人の技術のひとつであり、間違えると致命傷にもなる。
6番手は芸人と塾の講師の二足の草鞋で活動する「寺田寛明」。
この方についても事前情報はなく、講師というキーワードから同じ世代の芸人「大輪教授」を連想した。
ネタは英文を寺田さんなりに翻訳するという、まさにオーソドックス中のオーソドックス。
この手のネタは英文を出すと同時に観客はある程度想像を膨らます、それを越えていくことが難しい。
彼の場合は、良い塩梅で観客の想像を超え、あるあるネタも含み、コンスタントに起こる笑いは後半になるにつれて盛り上がり、申し分のない着地であったが、点数は伸びなかった。
その理由としては、観客が感心してしまうネタが多かったからだと思う。
面白いから笑うというよりは、納得やリスペクト、凄いという感情で起こる笑いであった気がする。
さらに、翻訳した文章でボケたあと、一言足して次に行くというスタイルだが、その一言単体でも観客の心に突き刺さるほど面白い必要があった。
フリップネタはフリップをめくると同時にリセットされるので、後半もっとボケが繋がり畳み掛ける展開にしても良かった。
7番手はお笑いコンビ「かが屋」の賀屋。
決勝にコマを進めたメンバーの中で知名度は高く、コントに定評があるかが屋賀屋さんのピンネタという事で、観客の期待値は相当高かったはずだ。
ネタをみると、かが屋のネタを踏襲していると感じた。
ボケの乱打というよりは、ひとつの設定ボケをいろんな角度から見せていくようなネタ。
ファーストステージは慌てた男の「はぁはぁ」という息遣いを主軸にボケを展開していき、ファイナルステージは女性の「オナラ」を軸に物語を進めていった。
どちらのネタも着眼点は素晴らしく、ネタの流れも滞らず、スムーズだった。
残念だったのは、どちらも「オチが弱い」ということだ。
暗転するまでネタが終わったと確信出来ないほど脆弱だと感じた。
ネタの持ち時間が短かったのか、それとも元々そういうネタだったのかはわからないが、途中まで良かっただけに、オチは笑わせて終わるか、落語のような上手い表現をして感心させて終わらせるべきだった。
かが屋らしさなのかもしれないが、オチを強くする事が出来るようになればもっとコント職人としての地位を上げられるのではないだろうか。
8番手は関西で活躍されているという「kento fukaya」という芸人。
霜降り明星と同期らしいのだが、この方もほとんど情報はない。
ただトリプルフリップストーリーという3面フリップを使うという特殊な芸が特徴なのだそうだ。
4面を使ったZAZYがいなければもっと希少価値が出たはずだが、フリップ芸をする芸人が増えた今、そういった被りも仕方ないという事だろう。
絵は気持ち悪さがクセになる独特なタッチで、それだけでも面白い。
さらに大きなフリップを3面横に並べ舞台を広く使って動き回り、フリップ芸にありがちなこじんまりしてしまう点も解消されている。
ネタの内容も1面ふり、3面オチのような毎回同じようなパターンではなく、フリップを開く順番を変えたり、映像のように見せたりとかなり手が込んでいて良かった。
ひとつ気になる点を挙げるとすれば、後半ネタのテンポが上がり、観客を置いてきぼりにした感があった。
舞台を広く使うという事はお客さんの目線が移動するという事。
彼が舞台を右へ左へと移動すれば、観客もそれに付いてくる。
最初は集中していても、段々と目線の移動、頭での理解、面白いと感じて笑うという一連の動作にズレが生じて疲れてしまう。
早すぎてもダメ、遅すぎてもダメ。
スピードの強弱も意識しなければならない。
お笑いは難しい。
9番手は芸歴2年目の超若手「高田ぽる子」。
こちらもフリップ芸。
ただのフリップ芸ではなく、終始子供番組のような曲が鳴り、それに合わせて歌を歌いながらネタを進めていくというもの。
ネタ自体はとても不思議な内容で、本人の人となりは知らないが、たぶん変わった方なのだろうと思うようなネタだった。
2年目のたどたどしさが活きていて、後半にリコーダーを吹く部分があるのだが、かなり上手で、思わず笑ってしまった。
2年目ながら点数でいうと4位。
かなりの高評価だ。
ものすごく可能性を感じた芸人さんなので、この後、何を吸収しどのように成長していくかが見ものである。
老婆心ながら今のまま変わった人として進むのではなく、ある程度普通の感覚を手にいれた上で変わった方向へ進んで欲しいと思う。
いつかタレントになりネタをやらなくなるかもしれないが、まだあと数年はネタを作らなければいけないと思うので、変わらないクオリティではなく進化したネタを見たい。
こういう存在は希少であり貴重なので、取り扱い注意である。
最後はご存じ「ゆりやんレトリィバァ」。
冒頭にも書いたが今大会の優勝者だ。
ファーストステージのネタを見終わった時には、僕は彼女の優勝を確信していた。
同様に感じた視聴者は少なくないだろう。
芸人としてだけではなく、彼女の群を抜いた演技力にも鳥肌が立った。
ファーストステージとファイナルステージではまるで人が違った。
さらにはファイナルステージでは、インタビューを受けるゆりやん本人を演じたので、もしかしたら普段見せているゆりやんですら演じているのではないかと錯覚するほどだった。
ネタの内容も独特で面白かったが、それ以上に演じ方、見せ方、間の取り方が抜群だった。
ファイナルステージのネタでシャワーを浴びた瞬間、これだけやりたい放題やってウケる姿に嫉妬すら覚えた。
養成所時代ですでに天才といわれた彼女は、お笑いの世界で揉まれ続け、さらなる進化を遂げた。
努力を惜しまない天才ほど怖い存在はいない。
同世代を生きる芸人の中ではもはや敵なしではないだろうか。
やっと掴んだ優勝トロフィーを手に涙を流しながらも、最後は変顔で笑いをとった彼女は生粋の芸人である。
さて今回の大会を通し、ふと個人的に思ったことがある。
芸歴10年以内という参加条件を設けたことは果たして正解なのだろうか?若手に対してチャンスを与えることは素晴らしく、今後のお笑い界の活性化にも大きく影響するだろう。
しかし芸歴が短いがゆえに、芸に磨きが足りず完成していない参加者が目立つ。
MCを務めた霜降り明星も大注目の若手芸人である。
一点気になったのは「吉住」のネタが終わった後のトークでせいやがネタについて「怖かった」とコメントしていた。
それに追従するように粗品が「切ないネタだった」と。
どちらのコメントもお笑いのネタの感想としてはおかしい。
さらにせいやの「怖かった」は芸人本人に伝えてリアクションを取らせたり、ボケのきかっけにさせたりすることはあってもネタの感想として言う事はない。
MCの発言は観客の感情を思った以上に左右する。
吉住のネタで面白いと感じた人も。
MCの一言で怖かったという感想に置き換えられる可能性があるのだ。
審査員においても、いわゆる大御所と称される芸人を外し、昨年の大会で優勝した野田クリスタルなど、今でも現役でネタを披露している芸人も参加し、若返りを図っていた。
M-1グランプリやキングオブコントと比べると、明らかに大会としての厳かさが無くなってしまっている。
たとえ優勝できなくても、ダウンタウンの松本さんが高得点を付けてくれた、面白いとコメントしてくれた等、時代を作り上げてきた憧れの大先輩に評価されることは芸人にとって貴重で嬉しいものであり、そのお陰で優勝できなくてもメジャーになることもある。
さらには審査員の考察やコメントも含めてネタの精巧さを理解することが出来るのも番組を盛り上げるひとつの要素であった。
一年に一度というプレミア感、円滑で尚且つネタ以外の芸人の良さを引き出す進行、日本のお笑い界を先導してきた芸人による真剣な審査、そして今年最も面白いピン芸人という称号。
賞レースは親近感がある大会では無く、今後の人生を左右する一世一代の勝負なのだ。
先物買いに焦点を置き、成長を待つような大会になってしまうとお客さんは離れていく。
そして大会の価値が変わると、お笑いに憧れ、本気で優勝を目指す芸人もいなくなってしまう。
ネット番組の普及やYoutuberの活躍など、テレビ離れは加速している。
そんな中、R-1のような歴史のある賞レースは芸人の憧れであり、真剣勝負の場であり、頂点を目指す者が増えることでお笑い界が一丸となって業界を盛り上げていく要になるはず。
僕はそう願っている。
「R-1グランプリ2022」に期待大だ。【日時】2021年03月20日 20:00
【提供】日刊サイゾー
ゆりやんレトリィバァ(1990年11月1日 - )は、日本のお笑いタレント(ピン芸人)。アイドルグループ吉本坂46のメンバー。奈良県吉野郡吉野町出身。本名は吉田 有里(よしだ ゆり)。吉本興業東京本部(東京吉本)所属。 第1回女芸人No.1決定戦 THE W優勝者。 第19回R-1グランプリ優勝者。 30キロバイト (3,598 語) - 2021年3月19日 (金) 14:27 |
#9 [匿名さん] :2021/03/21 01:22
ゆりやんは山田花子を数倍気持ち悪くした感じ
#20 [匿名さん] :2021/03/21 06:09
>>9
確かに。痩せても太ってもこんなに気持ち悪いって才能だな。気持ち悪さはトップクラスなのは認めます。
#11 [匿名さん] :2021/03/21 03:20
ゆりあんやったか?
1位にすんの間違ってるやろ
いや、違うだろぉ!違うだろぉ!!!
#16 [匿名さん] :2021/03/21 03:59
>>11つまんな
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